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パニック障がい・社交不安障がい

Doctor's File vol.364 岡本浩一院長 MISUO net 新百合ヶ丘を中心とした地域情報
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パニック障がいについて

心理的に言うところのパニック自体は、東日本大震災で体験したと思われる人も多いことでしょう。
パニック障がいとは、そこで言うパニック状況が内的に突然襲ってくる形の脳の危険察知信号機が黄色信号の点滅状態であり続けるような、放置しても軽快し難い治療が要る病気です。
決して希な病気ではなく、40人程度に1人は罹患するものであり、女性が男性の二倍多い疾患です。
脳の機能的な障がいによるものと考えて下さい。その症状は、「パニック発作」と呼ばれる強い不安・恐怖感を伴う死をも感じる身体的苦痛が発作様に現れるのが特徴です。

身体的苦痛としては、動悸、窒息感、めまい、気を失う感じ、全身の戦慄感、吐き気、冷汗、発狂する感覚、等が挙げられます。その発作を恐怖し、様々な活動を回避して発作を逃れようとする一連の行動により、更に不安が増幅されていく悪循環が見られます。
そのような「予期不安とそれによる回避」を伴い、電車に乗れない、高速道路を走れない、人ごみに行けない等々、社会的活動に支障を来し、生きる上で重要な自由が制限され想像以上の生活の質の低下に至る重大な病気なのです。

心理的ストレスや過労、睡眠不足、などが発症要因となりやすく、誘発状況というのもあり、ラッシュの通勤電車内や拘束される会議や美容院、などが該当します。大震災がきっかけとなってしまった人も多いのではと想像します。
治療は主に薬物療法ですが、専門性のある認知行動療法という治療も大変効果的です。要は避けていても治らない、恐怖に慣れさせる行動をとるのが近道とされています。そのことは自身では取り組み難いため、専門の医療機関への受診もご検討下さい。

なお、当クリニックでは専門的知識のある心理カウンセラーによる認知行動療法を行っております。

社交不安障がいについて

「人前で発表する」「会議で意見を述べる」「人前で電話をする」「店や式場などで署名や記帳をする」「公衆の場で食事をする」「初対面の人たちと話し合う」「グループ活動をする」「宴会や会合に参加する」などの社交的場面を思い浮かべてみて下さい。それらの中の1つ位は、少しは不安や緊張を感じるかもしれないと誰しも思うことでしょう。
その不安や緊張、恐怖感が大変強く、いくつかの場面で認められ、数年間の長きに渡り持続していたとしたら、きっと人生はある程度つまらなく不快なものとなっていることでしょう。

そのような「他人から注目を浴びる」「自分が恥ずかしい思いをする」かもしれない複数の状況に対して強い不安や恐怖を抱き、その場面をかなり回避する状態に陥っていたら、社交不安障がいという病気である可能性が高いのです。
その人たちは、きっと学生の頃から悩んでいたことでしょう。
多くの症例が成人する以前に発症するからです。そして、長期間治療を受けずに、自分の性格や性分、気の弱さなどと考えて、やむなく回避行動を取りつつ生活を送っていると思われます。

しかし、この障がいは放置していても改善する見込みは少ないのです。
さらに重大な問題として、将来的には4割程度の症例がうつ病を発病する経過を辿るとされています。また加えて、アルコールや薬物等の依存症に罹患する確率も少なくないのです。

この障がいにより、あえて昇進や出世をしないよう仕事をする人や自分本来の能力を少ししか発揮できない人、ちょっとした井戸端会議やパーティーを楽しめず苦痛を味わうのみの人、などの不遇な状況が生まれます。そのことが自己不全感や自信喪失、ある集団や地域での孤立感、経済的損失なども生んでいくのです。この障がいに罹患するリスクは比較的高く、統計により差はありますが概ね1割弱程度と考えられています。

その中で適切な治療をされている方は一部に過ぎないのが現状です。日本では古くから対人恐怖症として取り上げられてきた社会文化的な障がいとも言えます。厳密にはそれと完全なイコールではないのですが、ようやく国際的にも10数年前位から社交不安障がいという疾患としての位置づけが成され、脳の機能障がいとして治療対応可能な疾患状態と認識されるようになっています。

現在はこの障がいに適応を持つ薬剤もでき、薬物療法を根治的に行うことも可能となってきています。
数年間の服薬期間を要することや万能ではないことはありますが、一部有効例でも認知行動療法等を適応させることでさらに改善を見込めます。苦痛や現実的な困難さが強い人は一度医療機関への受診をお勧めします。
なお当クリニックでは、薬物療法のみならず認知行動療法や、社交場面のトレーニングを実践的に行えるグループでのカウンセリングも行っております。

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