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対人関係療法

Doctor's File vol.364 岡本浩一院長 MISUO net 新百合ヶ丘を中心とした地域情報
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世界中に普及するIPT

アメリカで1960年代末からうつ病の治療法として開発された経緯があり、多数の臨床研究の結果、その効果が実証され、その後も着実に他の精神科的疾患に対しての効果も確認されている心理療法です。
発祥の地アメリカだけでなく、イギリス、オランダでも公的な治療ガイドラインに位置づけられており、現在では日本を含め、世界中で急速に普及しています。

それだけ多くの国で効果を上げているのは、この療法が人間にとってかなり普遍的な部分に働きかけるものだからでは、と考えられています。その普遍的な部分とは、人間は身近な人間関係に、より大きく影響を受けているということです。
自分はどんな人間であるかという感覚は、身近な人間関係の中で培われます。人間関係がうまくいってると、自己肯定感が高まりますし、人間関係に行き詰ると自分はダメな人間だと思うものです。

対人関係と精神症状の相互作用

とは言え、対人関係療法は、「対人関係が原因で病気が起こる」と考える治療法ではありません。精神科的な症状は、遺伝、パーソナリティー、早期の人生経験や社会状況、直面している個人的ストレスなど、様々な要因の結果として起こってくるものです。
一方で、うつ病の発症のきっかけを見ると、ほとんど必ずと言えるほど、「対人関係上の不都合な状況」があるものです。いじめや離婚など、明らかな対人関係上の問題があることもあれば、「過労」など、一見対人関係とは無関係に見えるものもあります。

しかし、なぜ過労に陥るほど仕事を断れず抱え込んだのか、上司や同僚に相談はできなかったなどと考えていくと、これも一つの対人関係上の課題と見ることができます。また、現在進行中の対人関係は、発症だけではなく、その後の経過にも影響を与えます。現在の対人関係で大きなトラブルを抱えていたり、大きなストレスを感じているのであれば、症状もそれに応じて悪くなるものです。

その一方で、病気も対人関係に影響を与えます。症状そのもの、病気によるコミュニケーションの変化、社会的機能障がいなどが、身近な対人関係に与える影響は大きいものです。このように、症状と対人関係は双方向で影響を与え合っていくものなのです。

応用可能な対人関係療法

対人関係療法が目指すことは、この「症状と対人関係問題の関連」を理解し、対人関係問題に対処する方法を見つけることにより、症状に対処できるようになることです。さらには、病気の治療法としてだけでなく、この療法の考え方には、日常生活に応用可能な数多くの知恵があります。

例えば、対人関係におけるストレスを「役割期待をめぐるずれ」として見ることにより、そこでの期待やコミュニケーションに注目してストレスを解決可能なものとする方法などは、日常の対人関係に大いに役立てられます。

例えば、職場でのコミュニケーション、夫婦関係、思春期の子どもとのやりとり、介護現場などにおいても応用できます。さらには、生活上の大きな変化にうまく適用するためにも、非常に参考になるものなのです。

感情を引き起こすやりとりが焦点

また、対人関係療法は薬物療法と同じく、厳しい条件の臨床試験の中で効果が検証されてきた治療法で、科学的にも「効果がある」と言える精神療法としては、認知行動療法と大きな双璧をなしています。
では、認知行動療法との違いは何かというと、認知には焦点を当てないという点です。

対人関係療法では患者さまの気持ちや感情に注目し、それを引き起こした対人関係上のやりとりそのものに焦点を当てます。つまり、「どのような認知がそのような感情を引き起こしたか」というふうに考えるものではなく、「誰が何を言ったからそのような感情が起こったのか」ということを直接みていきます。
認知を扱わない分、より重いうつ病の方にも適応可能です。さらに対人関係療法の治療は必ず、限定された期間(16回程度)で行われます。治療としては期間限定ですが、その効果は治療を終えたその後も増していくことが大きな特徴です。

これは、患者さまが治療の中で学んだ対人関係スキルを日常生活で活用すればするほど、それがより強い自信に繋がってくるためと考えられています。そのような対人関係療法ですが、関心のある方は、専門機関にご相談されることを強くお勧めします。

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