以下に当てはまる方は、要注意となります。うつに関する何らかの危険信号を既に発している可能性が高いと思われるからです。
以下に挙げた項目に、「憂うつな気分である」という項目がないのは、うつ状態にあっても憂うつさの自覚に乏しいことが意外と多いためである、ということを予め付言しておきます。
「うつはこころの風邪」とも言われますが、安静にして数日間過ごしていれば何とかなるような類いの状態では決してありません。心の問題であるが故に陥りやすいのですが、あなたの苦しみは気のせいや怠け心であるはずがありません。ですから、決して根性や気合い、努力や頑張りだけで解決する状態ではないことを知って下さい。
少なくとも今まで行ってきた手段では対処困難な状況にあると考えられるため、何らかの違った方法を模索する必要があることは間違いないと思われます。
それは、単に一人で抱え込まないことかもしれません。自分のための時間を毎日確保することかもしれません。
これまでになかった問題解決手段の一つとして、こころの専門医への相談という試みを行うことはとても勇気がいることかもしれませんが、潜在的なうつ病患者が600万人いると言われ、人が一生涯にうつ病に罹患する確率が概算で10人に1人程度はいるという現状ですから、想定される対処手段の中でも最も適切なものの一つと考えて下さって間違いはないと思われます。
当クリニックは、そんな出口が見えなくなっているトンネルから抜け出すための誘導灯となり、あるいはまた着実に歩むための杖となれるよう、努めていきたいと考えています。また、著しくなくても気分の落ち込みを繰り返し自覚されているような方の中で、その反対にいわゆるテンションが高めの時期がなかったでしょうか?心当たりのある方は、躁うつ病という気分障がいを有している可能性がありますので、医療機関への受診を強くお勧めします。
また、最近は「新しい躁うつ病」という状態が注目されています。
躁うつ病とは、その名の通りにうつ状態と躁状態を繰り返す病気で正式には双極性感情障がいと呼ばれます。躁とうつの相反する極性を持つからです。れっきとした精神病性の障がいの一つであり、脳の機能障がいにより生じる感情・行動面の疾患となります。
うつ状態は既に述べていますが、躁状態とはどのような状態を指すのかというと、気分が高揚し興奮したり爽快になったりする状態により、多弁・多動となり、怒りっぽくなったり、思考があちこちに落ち着かず飛んでしまう状況に至り、不眠不休で現実適応的ではないまとまらない活動に陥り、最終的には興奮状態が著しく入院治療を概ね要することが多い病態なのです。しかし、「新しい躁うつ病」はそこまでの躁状態を呈することは無く、軽度程度の躁状態とうつ状態を繰り返す病気となります。
そして、そのほとんどの期間をうつ状態が占め、躁状態は短期間であることが多いのも特徴です。そのため、普通のうつ病として診断されていることが多いのが実情です。うつ病と躁うつ病では治療の在り方や予後が大きく異なるので十分な注意が要ります。
ポイントは軽度のそう状態を見極め、うつ病と明確に区別することとなります。
以下に挙げるような事柄が重要なサインになると考えられます。
全く躁状態が認められない人であっても、以下に挙げるような条件に該当する場合は頭記診断である可能性があります。
上記に当てはまるような方は、是非主治医とよく相談してみて下さい。