おかげさまで、フィールファインクリニックは本年4月、開院20周年を迎えることができました。
2006年の開院以来、私たちが一貫して大切にしてきたのはお一人おひとりのお話に耳を傾ける「丁寧な診療」です。この20年で社会は大きく変わり、私たちの抱える悩みもまた、より複雑で、より不確かなものへと変化してきました。価値観の多様化と加速する情報過多の状況が、より心理的混乱と脳疲労ストレスを加速させる背景因子になっているものと考えています。加えて、現代社会はスモールトラウマ体験(生死に関わるような体験でないとしても充分に心の傷として刻まれるようなもの)を負いやすい状況にもあるとも言えます。そして、環境ホルモン(環境に存在する多くの化学物質に含まれる、疑似的なホルモン作用をもたらすもの)要因や食生活の変化による腸内環境の乱れなどにより、発達障害特性が顕症化することが明らかに多くなっています。当院ではそれらの状況に対して、トラウマケアおよび成人期の発達障害臨床にも注力してきた経緯がありますし、これからも取り組んでいく所存です。
また、こころの不調は決してこころ・心理だけの問題ではありません。当院では、これまでの一般的なエビデンスに基づいた精神医学の枠組みに加え、水素療法そして栄養療法といった分子整合医学に基づく診療など、多角的なアプローチを積極的に取り入れているところです。さらに、公認心理士や精神保健福祉士といった専門職がチームとなり、「バイオ(生物学)」「サイコ(心理)」「ソーシャル(社会)」の多面的な視点から、皆様の「生きづらさ」の根源にアプローチできる体制を整えております。
「お風呂に入れないほど疲れている」「部屋が片付けられないほど頭が混乱している」
そんな声に私たちは「だらしなさや怠け」ではなく「こころのSOS」を感じ取ります。20年という節目にあたり、改めて私たちが目指すのは対症療法としての治療にとどまらず、皆様が自分自身の力で「心地よさ(Feel Fine)」を取り戻すための全人的な伴走者であり続けることです。
これまで支えてくださった地域の皆様、そして信頼して通ってくださる患者様に心より感謝申し上げます。
これからの10年も、最新の知見と変わらぬ寄り添いの心を持って、皆様の「健やかな明日」のために尽力してまいります。
2026年4月
フィールファインクリニック
院長 岡本 浩一